■「少子化と低い労働生産性、日本そっくり」
-韓国は日本を憎みながらも、似た国になりつつある。
「そうだ。貿易構造、産業構造、人口構造において両国はそっくりだ。両国の10大貿易相手国のうち七つは重なっている。両国の通貨の国際的な立場が違うことを除くと、韓国は10-20年差で日本を追う形になっている。高齢化と少子化がそうだ。高齢化のスピードは韓国(4.2%)の方が日本(2.1%)より2倍も早く、昨年の合計特殊出生率は韓国(0.8)の方が日本(1.30)より低かった。韓国は、『エンゼルプラン』『新エンゼルプラン』などに巨額の資金を費やしても少子化の解決に失敗した日本の後を追っている」
-韓国が避けるべき、日本経済の最大の問題点は何か?
「低い労働生産性だ。日本生産性本部(JPC)の報告書によると、2019年の日本における就業者1人当たりの労働生産性は経済協力開発機構(OECD)加盟37カ国中26位で、先進7カ国(G7)の中では最低だ。これは、65歳以上の高齢者が日本の総人口の29%を占めているせいでもあるが、より大きな理由は、サービス産業の低い労働生産性故だ。労働者は一生懸命働いているのに、サービス産業が低付加価値メインになっているからだ。これを解決しようと思ったら、産業構造を高度化するしかない」
-産業構造を高度化する方法とは?
「米国の変身が重要なヒントを示している。米国は1980年代、『双子の赤字』と製造業の競争力低下で大きな危機に直面した。しかし90年代のIT投資ブームにうまく乗り、新経済(new economy)と呼ばれる長期好況を享受して今も革新を先導している。米国5大IT企業(GAMMA。グーグル、アップル、メタ、マイクロソフト、アマゾン)の時価総額は、日本の東京証券取引所に上場された全ての企業の時価総額合計よりも大きい。韓国も、こうした『デジタル資本主義』がけん引する高級サービス産業にまい進すべきだ。製造業大国モデルにばかりこだわっては『第2の日本』になる」
宋義達(ソン・ウィダル)エディター