韓国大統領室の国家安保室は25日、北朝鮮内部の現状について「制裁による従来の困難に加え、コロナの感染拡大が追加の圧力と苦痛をもたらしている」「餓死者の発生もそれほど驚くべきことではない」とコメントした。
国家安保室のある関係者はこの日午後に記者団の取材を受けた際、「北朝鮮の内部事情をどう判断するか」との質問に「経済状況、制裁局面、コロナ、その他疾病、豪雨による被害などを総合的に分析すると、北朝鮮の事情は良いはずがない」とした上で上記のように述べた。
北朝鮮では今年5月にオミクロン株の感染が拡大した影響で中朝国境が再び閉鎖され、これに慢性的な経済難が重なり一部地域では餓死者が発生しているという。この状況について労働党機関誌の労働新聞は先日「共和国非常局面」と表現した。一部では1990年代末に数十万人が餓死した「苦難の行軍」と同じ危機的状況が繰り返されるとの見方もある。
また脱北漁師が北朝鮮に強制送還された事件については記者団が「合同尋問の資料やSI(特別取り扱い情報)の閲覧が可能であれば、亡命の意思をどう評価したか」と質問した。これに対してこの関係者は「新政府発足の際に業務を引き継ぐ過程で全く含まれていなかった事案だ」と明らかにした。その上でこの関係者は「この問題の本格的な調査が始まってから、関連する資料が安保室にあるか確認する手続きを経たにもかかわらず、驚くほど資料はなかった」「検察で調べているので忍耐を持って結果を待つのがよいだろう」との考えを示した。近く行われると伝えられる北朝鮮による7回目の核実験については「全ての準備は終わったと把握している」「北朝鮮が核実験を断行する場合に備え、さまざまな措置を準備している」と説明した。
キム・ウンジュン記者