遺伝子で復元した伽耶人の顔…現代韓国人とそっくり

 三国時代(4世紀半ばから新羅が統一する668年まで)の韓半島南部で暮らしていた人々は、こんにちの韓国人とかなり似ていたことが明らかになった。三国時代が、韓国人のアイデンティティーを確立する時期だったのだ。

 蔚山科学技術院(UNIST)バイオメディカル工学科の朴鍾和(パク・チョンファ)教授の研究陣は6月22日、学術誌「カレント・バイオロジー」を通して「三国時代韓半島のゲノムを初めて分析した結果、古代韓国人には大枠で少なくとも二つの遺伝子集団があったことが判明した」と発表した。

 さらに、ゲノム情報を活用したモンタージュを予測した結果、三国時代の韓半島人は外見の上で現代韓国人とかなり似ていると推定された。

 研究陣は「現代韓国人のアイデンティティーが確立した推定される三国時代の古代人のゲノムを初めて分析し、ビッグデータを整備した研究」だとし「韓国人の起源と単一化のプロセスを綿密に調べることができる」と説明した。

【図】三国時代の伽耶地域(金海)に当たる大成洞と柳下里貝塚

■古代韓半島の二つの遺伝子グループを確認

 今回の研究はUNISTゲノムセンター、国立中央博物館、国立金海博物館、ソウル大学、ゲノム研究財団、オーストリアのウィーン大学、(株)Clinomicsが共同で進めた。

 研究陣は、伽耶に該当する金海大成洞古墳群と柳下里貝塚の2カ所から出土して博物館に保管されている西暦300-500年ごろの遺骨を分析した。古代人22人の骨と歯のサンプル27点から遺伝情報が含まれるDNAを抽出し、解読を行った。この中から、8人に該当する高品質ゲノム情報を確認した。

 分析の結果、古代人8人のうち6人はこんにちの韓国人と新石器時代(紀元前8000年-紀元前1500年)ごろの韓国人、古墳時代(西暦3-7世紀)の日本人と遺伝的に近いことが明らかになった。逆に2人は、相対的にこんにちの日本人や縄文時代(紀元前1万年-紀元前300年)ごろの日本人に近かった。

 朴鍾和教授は「三国時代の韓半島における人口集団の多様性は今よりも大きく、大枠で少なくとも二つの遺伝子集団があった」と説明した。大きく見ると、大陸で拡大した遺伝子集団と、アジア全域に散らばって韓半島南部の島と日本にのみ残る遺伝子集団があったという。

 さらに朴教授は「大陸で稲作により人口が急増した集団とは異なり、縄文人は狩猟やアワの栽培を行い、チベット高原や東南アジア、韓半島の島しょ地域や日本に孤立した」とし「三国時代の伽耶にも、こうした縄文人の痕跡が残っている」と語った。

■人工知能で伽耶人のモンタージュを作成

 研究陣は、DNAで外見を決定付ける遺伝子の部位160カ所を選び、人工知能で伽耶人の顔を復元した。伽耶人は褐色の目と黒くて太い直毛を持ち、現代韓国人に似た外見をしていた。また、東アジア人の特徴である乾燥した耳あかと体臭が少ない遺伝子も確認された。

 朴鍾和教授は「現在までに出てきた古代韓国人のゲノムは、主として南東地域に分布しているという限界がある」とし「現代と古代の韓国人の移動や混合に関する全般的な絵を表現してみようと思ったら、韓半島内陸部やさまざまな時期の古代ゲノムを追加分析する必要がある」と語った。

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者

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  • ▲古代伽耶人の骨と歯から出てきたDNAで復元した男女のモンタージュ。現代韓国人とかなり似た姿だ。/写真=UNIST
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