ソウル市西大門区に住む会社員のキムさん(25)も最近、卵子凍結施術を受けるかどうかで悩んでいる。キムさんは今結婚したいという気持ちはないが、いつかは必ず子どもを産みたいそうだ。「数年後、『年を取って出産に問題があるのでは』と心配して気が進まない結婚をするのは嫌なので、卵子凍結施術に関心を持つようになった」と語った。
事実、産婦人科などで集計している施術件数も増加傾向にある。韓国最大手の病院「車(チャ)病院」によると、未婚女性の卵子凍結施術件数は2015年の72件から2021年には1194件まで増えたとのことだ。ほかの病院でも同様だ。不妊治療などをするソウル・マリア病院の関係者は「(卵子凍結施術回数は)2015年は13件だったが、昨年は年間で300件以上になった」と言った。産婦人科医院「サラン・アイ・女性医院」の関係者も「毎年30%以上、卵子凍結に関する相談を受けたり、施術を受けたりする未婚女性が増えている」と語った。
20-30代の未婚女性たちは卵子凍結施術を一種の「保険」のように考えている。結婚年齢がますます上がっているだけに、後々に備えて健康な卵子を保存しておきたいということだ。ただし、健康保険が適用されず、一度施術を受けるのに費用が数百万ウォン(数十万円)かかるのが悩みだとのことだ。京畿道果川市に住む会社員のキムさん(30)は「結婚をしたら仕事のキャリアが中断してしまうのではないかと心配だから今はあまり考えていないが、今後人生がどのように変わるか分からないので、卵子凍結施術を受けるかどうか悩んでいる」と話した。
また、最近はチャン・ドヨン、アン・ヨンミ、イ・ジヘら卵子凍結施術を受けたことを公表する女性タレントたちも出ているため、この施術が一般的に知られるようになったことも、若い女性たちが関心を持つきっかけとなっている。女性アイドルグループCleo(クレオ)出身の歌手チェ・ウンジョンが昨年11月、自身の施術過程を動画共有サイト「ユーチューブ」で公開したほか、韓国で活動している日本人タレントのサユリ(藤田小百合)も凍結卵子と提供された精子で男の子を出産して話題になった。
ハン・イェナ記者