国連特別報告者「遺族の闘争を支持」「彼らには知る権利がある」=韓国公務員射殺事件

 来韓中のトマス・オヘア・キンタナ国連特別報告者は28日、北朝鮮に射殺された韓国海洋水産部(省に相当、以下同じ)職員イ・テジュンさんの遺族と面会し「遺族たちは韓国政府に対して知る権利が明確にある」と述べた。イ・テジュンさんの実兄のイ・レジンさんと代理人の金基允(キム・ギユン)弁護士によると、キンタナ氏は「遺族による真相解明の努力は引き続き支持する」とした上で上記のように述べたという。文在寅(ムン・ジェイン)政府は事件記録を大統領記録物に指定したが、その公開を要求する遺族の手を上げた形だ。

 金弁護士は「キンタナ氏は(大統領記録物閲覧に必要な)国会での議決を待つ以外にも国際的な方法で情報を得る方法を探るようアドバイスしてくれた」とした上で、一例として国連の略式処刑実務グループに正式に書簡を送る方法を伝えてくれたという。キンタナ氏はさらに「北朝鮮軍がコロナを口実に故人を殺害したのは国際人権法上問題になる」「北朝鮮は遺族に賠償する責任がある」とも指摘したという。遺族側が伝えた。

 キンタナ氏はこの日、北朝鮮人権市民連合、転換期正義ワーキンググループ、国軍捕虜家族会、戦後拉致被害家族連合会など北朝鮮人権団体とも面会した。これらの団体は「文在寅政府の時代、板門店周辺に北朝鮮住民を北送するための待機施設建設が推進された」とする報道を紹介した。これについてキンタナ氏は「統一部に確認する」と答えた。

 この報道と関連して統一部は「2019年下半期から臨時の待機施設建設を推進し、20年下半期に完成した」と明らかにした。統一部のある当局者は「海上漂流などでNLL(北方限界線)を越えた後に北朝鮮への帰還を希望する住民を送り返すたびに、適当な待機場所がないため韓国軍部隊の施設に滞在させるなど不便な点が多かった」とも説明した。転換期正義ワーキンググループの李永煥(イ・ヨンファン)代表は「文在寅政府が待機所を建設中だった19年11月、この時に帰順を求めた北朝鮮住民2人は板門店を通じて強制北送された」「このように帰順した北朝鮮住民を極秘に強制北送する意図で待機所を建設したと疑っている」と述べた。

キム・ミョンソン記者

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  • ▲北の人権状況に関する国連特別報告者トマス・オヘア・キンタナ氏と面会した韓国海洋水産部職員の遺族。/聯合ニュース

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