韓国法曹界「性的暴行の虚偽告訴、有罪判決は6.4%」

韓国法曹界「性的暴行の虚偽告訴、有罪判決は6.4%」

【韓国ジェンダーリポート2022】〈第5回〉

 韓国の女性たちが性犯罪に対する不安を訴える中、男性たちは「罪もないのに性犯罪加害者に仕立て上げられるのではないかと心配」と回答する。法曹界では「過度な不安」と指摘する。性犯罪加害者として虚偽告訴された場合、法廷で有罪を宣告される可能性は高くないというのだ。検察関係者は「大多数の虚偽告訴は捜査機関でろ過される」と話す。

 検察と警察、法務部(日本の省庁に相当)は、性犯罪における虚偽告訴の統計を別途に出していない。ただ、全体における虚偽告訴等罪の起訴率はかなり低い。2020年基準で検察に届けられた虚偽告訴事件は1万2870件だったが、このうち起訴された事件は1177件(9.1%)にすぎなかった。同年の全体の刑法犯罪起訴率(30.9%)の3分の1だ。裁判に付されても無罪となるケースが多い。韓国女性政策研究院の調査によると、2017-18年に性暴力加害者と目された人が相手を虚偽告訴等罪で告訴した事例のうち有罪と確認されたのは全体の6.4%にすぎなかった。キム・デウ弁護士(法務法人テハ)は「一部無念な事例に対する社会的関心が高まりを見せたことで、男性による虚偽告訴等罪での告訴が同時に増えた」と話した。

 ただし「虚偽告訴等罪の成立条件が厳格で、実際に虚偽告訴をした人も有罪判決をほとんど受けない」という指摘もある。虚偽告訴等罪は、相手に刑事処罰を受けさせる目的で虚偽の告訴を行ってこそ成立するが、虚偽告訴した人にその意図があったかどうかを捜査機関が立証しなければならないためだ。「虚偽告訴等罪が認められる確率が低いからといって、何の問題もないわけではない」との指摘もある。チョ・ヨンヒョン元ソウル高裁部長判事は「罪がないのに有罪判決を受ける人を一人も生み出してはならない、というのが刑事司法体系の大原則だが、性犯罪においては、合理的疑いの余地のない程度にまで犯罪が証明されていないにもかかわらず、有罪判決が出されるケースがしばしばある」として「虚偽告訴されて刑務所に入る人が実際に存在する以上、これを放置してはならない」という。

 虚偽告訴等罪そのものの量刑が低過ぎるという主張もある。最高裁の量刑基準によると、虚偽告訴等罪の基本量刑は6月-2年である上、実際にはかなりの割合で執行猶予や罰金刑が宣告される。虚偽告訴等罪の法廷量刑(10年以下の懲役または1500万ウォン〈約155万円〉以下の罰金)を考慮しても、実際に宣告される量刑が低過ぎるというのだ。キム・ホジェ弁護士(法務法人テユン)は「殺人や強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪者に仕立てる目的で虚偽告訴を行った場合は、厳しく処罰される必要性がある」と述べた。

特別取材チーム

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