これに先立ち、キオクシアは先月、ウエスタンデジタルと共同で1兆円を投資した三重県四日市工場の新生産ラインを完成させた。ここでは112段、162段のNAND型フラッシュメモリーが今年第3四半期から生産される予定だ。
米国と日本が先端技術開発と投資に力を入れ、韓国企業との心理的格差はかなり縮まっている状態だ。特にメモリー半導体の製造難度が高まり、既に相当な技術水準を積み上げた韓国企業は成長ペースは遅くなり、それに追随する米日企業の技術水準は急速に改善されている。業界関係者は「米国と日本が韓国に追いつかれ逆転されたように、サムスン電子とSKハイニックスなど韓国企業と米日の格差は近く狭まる可能性がある」と指摘した。
NAND型フラッシュメモリー市場の昨年第4四半期時点のシェアを見ると、サムスン電子が33.1%で首位、ソリダイム(旧インテルNAND部門)を買収したSKハイニックスが合計で19.5%を占め2位。以下、キオクシアが19.2%、ウエスタンデジタルが14.2%、マイクロンが10.2%となっている。サムスン電子は圧倒的首位だが、前四半期(21年第3四半期)に比べ、シェアが1.4ポイント低下した。SKハイニックスは、シェアが前四半期に比べ0.6ポイント上昇したが、ソリダイムは0.5ポイント低下した。この間、他社のシェアは小幅ながら上昇した。
ただ、韓国企業もただやられているわけではない。サムスン電子フラッシュメモリー開発室長のソン・ジェヒョク副社長は「サムスン電子は200段を超える第8世代の次世代NAND動作チップを確保し、市場の状況と顧客の要求に応じてタイムリーに製品を発表するために万全の準備を整えている」とし、「サムスン電子は一度に100段以上を積み上げ、10億個を超える穴を開けることができる『シングルスタックエッチング』技術を持つ唯一の企業で、高さの物理的限界を克服し、最先端に向かう技術リーダーシップを確保している」と強調した。
SKハイニックスの盧鐘元(ノ・ジョンウォン)事業総括社長は「昨年末量産を始めた176段NAND型フラッシュメモリーは現在、収率(欠陥のない合格品の比率)改善と同時に販売割合が拡大している」とし、「次世代製品である238段の開発も順調に進んでいる」と説明した。
業界はNAND技術が必ずしも「積層」だけに左右されるわけではないと指摘する。「どれだけ積むのか」と同様に「どのように積むのか」も重要だということだ。業界関係者は「積層技術はどのように積み上げるかによって生産効率や原価競争力にかなりの差が生じる」とし、「米マイクロンは最近数年間、先行する技術力を強調し、誰よりも先に量産するということを戦略としてきたため、たとえ量産が遅れたからといって実際の市場で影響力が低下という予測はうかつではないか」と話した。
パク・チンウ記者