元バスケットボール選手でタレントの河昇鎮(ハ・スンジン)さん(36)が先日、新型コロナウイルスに再感染したことを明らかにした。昨年7月に新型コロナに感染し、その後3回目のワクチンも接種したが、今回また感染したとのことだ。このように新型コロナにかかった後、またかかる再感染事例がたびたび出ており、防疫当局では注視している。
再感染が深刻だったのは英国だ。英国ではこれまで新型コロナの再感染事例が65万人以上報告されている。そのほとんどはオミクロン株が猛威を振るった昨年12月から今年2月の間に集中した。この期間における全感染者の10%が再感染者だったほどだ。それまではその割合が1%にとどまっていた。デンマークではオミクロン株よりステルスオミクロン(BA.2)の再感染が多かった。世界保健機関(WHO)の分析によると、オミクロン株に感染した後、ステルスオミクロンに感染する確率は低い方だという。
韓国ではまだ再感染事例がそれほど多くない。疾病管理庁の集計では、2020年2月から今月16日までの再感染者数は290人と、全感染者の0.0038%だ。月別平均再感染者で見ると、デルタ株流行前は0.1人前後だったが、デルタ株流行期(昨年7-12月)は26.5人、オミクロン株流行期(今年1-3月)は51.6人だ。オミクロン株流行期の最近2カ月間における再感染者は全感染者の0.0018%に過ぎないが、実際にはもっと多い可能性があるとの指摘もある。
現在の韓国の再感染判定基準はPCR検査の結果に基づいている。症状に関係なく、最初の感染確認から90日経過以降に陽性になった場合や、45-89日の間に症状のある感染者と濃厚接触して陽性になった場合が再感染に該当する。だが、今月14日から地域の病院・医院などで迅速抗原検査を受けて陽性反応が出ればPCR検査をしなくても感染者として分類することになり、こうした事例は再感染者の集計から外される。45日未満で再感染しても同様だ。梨花女子大学木洞病院呼吸器内科の千恩美(チョン・ウンミ)教授が「今月初めに新型コロナに感染し、約20日後に症状がまた出たという方々がいる」と語ったことを考えると、実際の再感染者数は統計より多いとの見方もある。
以前言われていた「ワクチン接種を完了して新型コロナにかかった後、完治すればスーパー抗体が生じ、いわゆる『スーパー免疫者』になる」という俗説が事実上、崩れたことも不安要素だ。国際学術誌ネイチャーは「再感染の症例が増えているのはオミクロン株の感染拡大と関連がある」という研究結果を掲載した。オミクロン株が流行し、以前の変異株では見られなかった勢いで再感染が増加しているが、これは「オミクロン株はウイルス感染を引き起こすスパイクタンパク質がデルタ株より2倍以上多く、免疫回避能力が強い」と説明されている。千恩美教授は「アルファ株は一度かかると3カ月以上抗体が維持され、平均で16カ月以内はあまり感染しないと報告されている」「一方、デルタ株は感染者のうち44%がオミクロン株に容易にかかることが分かった」と話す。
今後、既存のオミクロン株より感染力が30%強いと言われるステルスオミクロンが急速に広がれば、再感染者が急増するかもしれないとの分析もある。ただし、オミクロン株再感染は重症化率が比較的低い。先月第1週に1%に過ぎなかった韓国国内のステルスオミクロン検出率は、第4週に10.3%、今月第1週には新規感染者の22.9%を占め、今や26%を超えた。高麗大学九老病院感染内科の金宇柱(キム・ウジュ)教授は「感染したことがある人は症状が悪化するのを防ぐことができるが、別の変異株が出てきたら話は変わる」「新型コロナに感染した後、『スーパー免疫』がつくと期待するのは気をつけなければならない」と語った。
キム・ギョンウン記者