コロナ渦の長期化による学習欠損への懸念が高まる中、昨年は初等学校(小学校)児童、中学生、高校生の私教育費の額が2007年に統計を取り始めて以来最高を記録した。
韓国教育部(省に相当)と統計庁は11日、全国およそ3000の初中高校の児童生徒約7万4000人を対象とした2021年の私教育費の調査結果を公表した。それによると昨年の児童生徒1人当たりの月平均私教育費は36万7000ウォン(約3万4800円)で、20年の30万2000ウォン(約2万8600円)に比べて21.5%増えた。これは統計庁が私教育費について調査を開始した07年以来最も高い数値だ。昨年の私教育費総額も23兆4000億ウォン(約2兆2200億円)で過去最高を記録した。
1人当たりの月平均私教育費は2016年25万6000ウォン(約2万4300円)、17年27万2000ウォン(約2万5700円)、18年29万1000ウォン(約2万7600円)、19年32万1000ウォン(約3万400円)と文在寅(ムン・ジェイン)政権発足後は増加を続けた。韓国国内で最初にコロナ感染者が発生した20年には28万9000ウォン(約2万7400円)に減少したが、昨年はコロナ前よりもさらに増加した。教育部は「コロナ発生の1年目は対面での活動がほぼストップしたため塾などへも行かなくなったが、昨年はワクチン接種も増えて全般的に対面での活動が増加し私教育もより活発に行われたようだ」「子供が学校に登校できなくなり不安を感じた親たちが私教育をより多く選択したようだ」との見方を示した。
とりわけ初等学校児童の私教育費増加が際だっていた。昨年は中学生と高校生1人当たりの月平均私教育費は前年比それぞれ14.6%増と6%増だったが、初等学校児童は39.4%も急増した。初等学校児童の場合は特に芸術やスポーツの私教育費増加が目立った。これについて教育部は「コロナの長期化で放課後の学童保育が難しくなったためだろう」と分析している。
一世帯当たりの所得別私教育費支出の格差は前年と同じ水準だった。平均月収800万ウォン(約76万円)以上の世帯では児童生徒1人当たりの月平均私教育費は59万3000ウォン(約5万6200円)で、これは月収200万ウォン(約19万円)未満世帯の私教育費11万6000ウォン(約1万1000円)の5.1倍だった。地域別にみると私教育費が最も高いのはソウルで1人当たりの月平均私教育費は52万9000ウォン(約5万100円)、最も安いのは全羅南道で23万3000ウォン(約2万2100円)だった。
キム・ヨンジュ記者