韓国で女性幹部警察官が部下の男性警察官の体に触れ、「いい体をしている」などとセクハラ発言に及んだとして解任された後、処分を不服として提訴し、一審で敗訴していたことが明るみに出た。
判決によると、2017年2月、ソウル市の警察署で警監(警部に相当)の階級にあったA氏(当時40代、女性)は会食の席で部下の男性警衛(警部補に相当)B氏の大腿部を触り、「君は私のタイプなの」と発言した。その後、レジで会計を済ませるB氏の尻も触り、その際にも「いい体だ」「年の割に体が締まっている」などといった言葉を連発したという。
B氏がそれを告発すると、A氏は地区隊(交番勤務)に異動となった。A氏は4カ月後に元の警察署に復帰したが、それから対立が始まった。B氏がA氏を避けてあいさつをしないでいると、A氏は同僚がいる室内でB氏に向かって「私と一度したいってことなの?このXXX(卑語)」「不倫相手がいるといううわさも知っている」などと発言した。事実無根の内容だった。
裁判所はA氏が同じ時期に別の職員にもハラスメントや侮辱と取られかねない発言を頻繁にしていたと指摘。ある事務官には「おばちゃんが好きなスタイル」「私のこと好きでしょ」と言って肩に触れ、別の巡警(巡査)には「(髪型が)かつらみたいだ。だから彼女がいないだろう」と発言したという。
警察は18年、A氏を「品位維持義務」違反で解任した。A氏は処分を不服として提訴したが、昨年10月に一審で敗訴した。一審で裁判所は「懲戒事由が全て認定される」と判断した。現在二審が争われている。
A氏はB氏に対するセクハラなどの罪でも起訴され、20年末に懲役8月の実刑が確定した。また、B氏が精神的被害を受けたと主張した損害賠償訴訟でもA氏が敗訴した。裁判所は2000万ウォン(約192万円)の賠償をA氏に命じ、今月初めに二審で判決が確定した。
クォン・スンワン記者