失格選手が出たにもかかわらず、日本は8位、オーストリアは6位で予選を通過した。予選2位だったノルウェーは決勝で災難に見舞われた。2選手(アンナ・オーディン・ストロム、シリエ・オプセト)が「スーツ規定違反」で失格となり、決選最下位(8位)に下がった。日本は4位、オーストリアは5位で試合を終えた。スロベニアが金メダル、ロシア・オリンピック委員会(ROC)が銀メダルだった。カナダが3位になり、同国としてはスキージャンプで史上初の五輪メダルを手にした。
被害者たちは激怒した。シュテファン・ホルンガッハー・ドイツ代表監督は「全くあり得ないことが起こった」「アルトハウスは二日前、同じスーツを着て銀メダルを取ったのに、その時はなぜ失格にならなかったのか」と言った。ノルウェーの選手たちも「審判はこれまで経験したことのない方法でスーツのサイズを測り、20分以上も検査して失格にした。何とかしてケチを付けようとしているのがはっきり見えた」と主張した。当時、会場の気温は氷点下16℃だったが、屋外にいる時間が長ければ長いほど筋肉が収縮してスーツが緩くなるという。
外信にも衝撃が走った。フランスの通信社AFPは「スキージャンプで多数の失格者がでたのは史上初のこと」「失格になった選手たちは今まで何の問題もなく競技をしてきた世界トップクラスの選手たちだ」と批判した。英国の通信社ロイターは「女子選手ばかり5人も失格になったのはミステリー」と報じた。こうした失格が中国の「ビッグピクチャー(big picture=全体的な成り行き)」という分析もある。匿名希望のスキージャンプ関係者はスポーツ専門メディアのユーロスポーツに「伝統的な冬季スポーツ強国がメダルを逃せば、中国の五輪メダル総合順位が上がる可能性が高くなる」「しかもドイツと日本は外交的ボイコットにも参加した」と語った。
ヤン・ジヘ記者