日本の電機メーカー、パナソニックが電気自動車(EV)の走行距離を最大20%延ばすことができる次世代のリチウムイオン電池「4680」を量産する。日本経済新聞が25日報じた。パナソニックは業界最高水準の効率性を備えたとされるこの製品をテスラに優先的に供給し、「テスラ-パナソニック同盟」を強化するとみられる。米自動車ビッグスリー(GM、フォード、ステランティス)と同盟を組んだ韓国のバッテリーメーカーと真っ向勝負する様相だ。
【写真】パナソニック製バッテリーの搭載が予想されているテスラ「サイバートラック」
パナソニックが量産するバッテリーは既存の円筒形バッテリーの大きさを拡大したもので、直径46ミリ、長さ80ミリであるところから「4680」と呼ばれる。EVの走行距離をこれまでより15-20%延ばすことができ、テスラ「モデルS」に搭載した場合、1回の充電による航続距離が650キロから750キロに延びる。パナソニックは800億円を投資し、和歌山県に工場を増設。3月に試験生産を開始後、来年には車両15万台分(10ギガワット時)のバッテリーを量産する計画だ。
パナソニックはテスラと2014年に米ネバダ州に合弁バッテリー工場を建設するなど、初期の事業に参加し、米国で販売されるテスラのEVのバッテリーをほぼ全量供給している。パナソニックは米EV市場を早期に先取りし、高級EV向け製品というイメージも形成した。テスラは野心作である初のEVトラック「サイバートラック」に「4680」を搭載する計画で、パナソニックの米国市場での地位がさらに高まる見通しだ。
LGエナジーソリューションとサムスンSDIなど韓国メーカーもテスラへの納入を目指し、4680の開発に乗り出しているが、まだ量産計画は伝えられていない。バッテリー業界関係者は「パナソニックは4680を先行して開発し、テスラと同盟を強化していくとみられる。テスラを主要顧客とするパナソニック、従来のメーカーと手を結んだ韓国バッテリー業界による激しい韓日対決も予想される」と述べた。
柳井(リュ・ジョン)記者