韓国観光公社のチャン・ジンス東京支社長は「日本は、1年に何度も韓国を訪れる韓国旅行マニアの層が厚い」として「コロナで抑えられていた韓国旅行の需要がフツフツと沸き立っている状態」と話した。
実際に日本のSNS(会員制交流サイト)では、チキン、トッポッキ、キンパプ(韓国のり巻き)など韓国料理をそろえ、韓国ドラマやコンサートを見ながら友人たちと楽しく過ごす「渡韓ごっこ」がはやっている。コロナで韓国に行けなくなったため、日本にいながらせめて気分だけでも韓国旅行に浸ろうというわけだ。100人限定で開催したこの日のイベントも、応募者は2000人近くに上った。韓国観光公社は昨年秋にも同様の機内食体験イベントを開催したが、このときも50人の定員に750人が応募し、競争率は15倍になった。このため観光公社は今年の定員をやや増員して約80人としたが、応募者が昨年の約3倍に増加したため、最終的に参加定員を100人まで増やした。
応募者・参加者のほとんどは、20-40代のMZ世代(1980年代初め-2000年代初め生まれ)だった。韓国文化や韓国旅行に最も関心のある世代だ。この日も早朝6時まで徹夜で韓国ドラマ『Mine(マイン)』を見てからイベント会場を訪れたというシミズ・ユカさんは「韓国旅行が再開されたら、どんな値段であってもその日にすぐ行きたい」「旅行初日の最初の食事は現地の『ナッコプセ(タコ、牛の小腸、エビのピリ辛炒め)』にしたい」と話した。
日本政府は、コロナのワクチン接種と陰性結果を活用する形で、日常生活の回復に向けた取り組みを徐々に進めている。今年中にワクチン接種と陰性証明がコロナの感染再拡大の防止に効果があると判断された場合、海外からの団体観光客の入国再開に向けた検討を開始する方針だ。このため、観光業界では来春から韓日間の観光が段階的に再開されるのではないかとの期待が膨らんでいる。