インドネシアは次世代の韓国型戦闘機(KF21)共同開発への参加を決めたが、4年にわたり8000億ウォン(約770億円)の分担金未納状態が続いてきた。そのインドネシアと韓国との交渉が今回2年10カ月ぶりに動き出した。韓国防衛事業庁は11日のプレスリリースで「姜恩瑚(カン・ウンホ)庁長が現地で交渉を行った結果、インドネシアは事業費のおよそ30%を現物で提供することにした」と明らかにした。両国はこの日、インドネシアのジャカルタでKF21共同開発の分担金を巡る6回目の実務協議を行い、上記の内容が記載された最終合意文書に署名した。
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韓国型の次世代戦闘機KF21の開発には8兆8000億ウォン(約8500億円)規模の資金が投入される予定だが、インドネシアは従来の契約だとその20%に相当する1兆7000億ウォン(約1640億円)を負担することになっており、今回もその割合は維持することにした。分担金を納付する期間も2016-26年と従来通りだ。ただしインドネシアは1兆7000億ウォンの30%に相当する5100億ウォン(約490億円)を現物で納付することになった。現物の内容や納付の時期、方法などは今後協議が行われるが、現状では天然資源や原材料となる見通しだ。
KF21の開発は韓国とインドネシアが2015年から28年まで4.5世代に相当する戦闘機を共同で研究・開発するというもの。インドネシアは事業費の一部を負担する見返りに、試験機1機と技術関連の資料を受け取り、48機をインドネシアで製造することとした。しかし2017年以降、経済的な理由によりインドネシアは分担金を支払っていない。
2018年9月にインドネシアのジョコ大統領が来韓し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に分担金割合の見直しを含む再交渉を求め、翌年1月から実務交渉が始まった。それから2年10カ月を経て今回交渉が妥結したのだ。韓国が希望した分担金割合の継続など大枠は維持されたが、インドネシアの経済事情を考慮し折衷案を見いだした形だ。しかし現物の種類や納付期限などは合意に至らず、「実質的には半分しか合意できなかった」との指摘も出ている。
姜庁長は「コロナの影響で最終合意は遅れたが、両国が十分に対話を行うことで互いに利益となる方向で交渉を終えた。その点では大きな意味がある」として「今回の合意はインドネシアの分担金未納問題の解決はもちろん、共同開発の早期安定化にも寄与すると期待している」とコメントした。
ウォン・ソンウ記者