韓国企画財政部はこのほど、大規模政府系企業の半数近い19社が今年、稼いだ利益で利息を支払えないほど深刻な経営難に陥ると予想した。
秋慶鎬(チュ・ギョンホ)国会議員が28日、企画財政部から提出を受けた資料によると、政府系企業350社のうち、資産が2兆ウォン(約1900億円)以上ある38社と政府が損失を補填しなければならない2社など政府が「中長期財務管理対象」に指定した40社のうち、韓国電力公社、韓国石油公社、韓国鉄道公社(コレール)など19社のインタレスト・カバレッジ・レシオが1を下回ると予想した。インタレスト・カバレッジ・レシオは年間の営業利益を利払い費用で割った数値で、1を下回れば稼いだ利益で利払いを賄えないことを示す。
2016年時点でインタレスト・カバレッジ・レシオが1未満だったのは9社で、17年には6社に減ったが、その後は毎年増えている。今年19社まで増えれば、文在寅(ムン・ジェイン)政権発足1年目に比べ3倍に増えることになる。大規模政府系企業40社の合計営業利益は5兆5000億ウォンと予想されるが、利払い費用はそれを上回る6兆4000億ウォンが見込まれ、1兆1000億ウォンが不足する。
40社のインタレスト・カバレッジ・レシオを計算すると、0.9にとどまった。14年に財務管理対象となる政府系企業のインタレスト・カバレッジ・レシオの集計を開始して以降、初めて1を割り込んだ。16年には3.4あったが、現政権1年目の17年に2.5に低下。18年(1.2)、19年(1.1)、20年(1.6)と3年連続で1倍台だったが、今年はついに1も割り込むことになりそうだ。
秋議員は「コロナ長期化や原材料価格上昇など悪材料でエネルギー、レジャーなどの分野の政府系企業の業績が悪化した側面があるが、正社員化強行など政府の要求に伴う経営管理上の問題の方が大きな問題かもしれない」と話した。
韓国政府は主な政府系企業の業績改善により、40社全体のインタレスト・カバレッジ・レシオが来年には1.5まで回復するとみている。しかし、国会予算政策処は最近、2022年度公共機関予算案分析報告書で、「金利が上昇すれば、インタレスト・カバレッジ・レシオが政府見通しよりも悪化しかねない」と指摘した。また、「財務管理対象の政府系企業40社は負債規模が大きく、収益性が悪化すれば、政府の追加的な予算支援が避けられない」とした。大規模政府系企業40社による昨年の負債は512兆1000億ウォンで、公共機関全体(544兆8000億ウォン・350社のうち韓国産業銀行、韓国輸出入銀行、IBK中小企業銀行を除く347社基準)の94%を占める。