【独自】14.39は14.4ではなく14.3? 国税減免率をごまかした韓国企画財政部

恣意的な減税を防止するため定められた法定限度は14.3%
予想を超過しそうになると「小手先でごまかし」

 予算政策処は「今年度の国税減免率計算方法を『四捨五入』から『切り捨て』に変更すると、2021年の国税減免率見通しの法定限度が超過するかどうかが変わってくる」「今年度から算出方式を変更するのであれば、もっと慎重になる必要がありそうだ」と指摘している。

 企画財政部は「国税減免の限度そのものを計算する際、『小数第2位は切り捨て処理せよ』とする施行令の規定に従った」と説明している。それならなぜこれまで「四捨五入」を行ってきたのか。問題の規定は国税減免率の限度を定める際に使われる方式だが、なぜある特定年度の減免率を計算する際に切り捨て方式を採用したのかなどについては明確な説明がなされていない。

 企画財政部の関係者は「これまで四捨五入方式を採用してきた理由は一種の慣例だ」と説明している。過去には国税減免率の法定限度と実際の減免率に大きな差が出たため、「四捨五入」でも「切り捨て」でも大きな問題にはならなかった。しかし今年は「切り捨て」とすれば限度に合わせられるという点が考慮されたというのだ。上記の企画財政部関係者は「国税減免率の法定限度がしっかり守られたかどうかは国家財政法上の強行規定ではなく勧告にすぎない」とも説明した。

■国家統計・実績関連の混乱を自ら招く恐れも

 企画財政部は今年6月に公共機関評価採点のミスでメンツをつぶした。そのため今回は「意図的に数値を変えようとしたのでは」との指摘も相次いでいる。仁川大学のホン・ギヨン教授は「財政の健全性を考えるべき財政当局の立場からすれば、国民にとっては不満かもしれないが、非課税の減免などは縮小して国税減免率の限度に合わせる努力をすべきだ。ところが今回は数字を扱うやり方を変えて限度を変更しようとしたのであり得ないことが起こった」と指摘する。

 韓国政府は2018年、所得統計の試算などを巡り政府の方針とは違った考えを示した統計庁長を突如更迭し、所得主導成長の効果などについて「90%は成功した」とする我田引水式の統計解釈を行うなど、政府が公式に発表した数値を巡る混乱を自ら招いたとの指摘を受けてきた。ある政府関係者は「このような数合わせ式の数字の発表は政府に対する信頼をおとしめるだけだ」と厳しく批判した。

■韓国は2020年財政赤字4位…最も少ない国は?

金正薫(キム・ジョンフン)記者 , チョン・ソクウ記者
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