やっとよちよち歩きを始めた韓国宇宙産業、固体燃料エンジン・ロケット再利用までは遠い道のり

ヌリ号発射
韓国の力で打ち上げたロケット…今後残る課題は

■民間の参加を拡大し、政府も長い目で見つつ支援すべき

 スペースXやブルー・オリジンの事例で見るように、民間の参加をさらに拡大すべきだという意見もある。今回のヌリ号の開発にはハンファ・エアスペースや現代重工業などおよそ300の民間企業が参加した。だが韓国の宇宙開発における民間の参加は、政府のプロジェクトを受注して実行するという水準にとどまる。各企業に破格のインセンティブ(奨励金)を提供し、企業が自ら競争しつつ技術を蓄積できる基盤を整えてやらなければならない-という指摘が出ている。「宇宙開発が国家主導の研究開発に依存しているせいで、クリエーティブな挑戦が足りない」というわけだ。ある専門家は「米国のNASAが数十年かけて積み上げた技術を開放してスペースXのようなクリエーティブな企業を生んだように、韓国政府も関連技術を大挙開放して民間の参加を拡大すべき」と語った。

 韓国政府も、未来の産業を育てるという長い目で宇宙開発を推進しなければならない。最も成功した事例が、アラブ首長国連邦(UAE)だ。韓国から衛星技術を伝授されたUAEは、今年2月に火星探査機「アマル」を軌道へ送り込むことに成功した。2024年には月、28年には小惑星へ探査機を送るという計画を発表した。韓国天文研究院のファン・ジョンア博士は、科学技術団体総連合会の討論会で「今こそ、きちんとした設計図を備えてビジョンと目標を提示できるミッションを準備すべきとき」と語った。

■国力ランキング世界1位は米国、韓国8位…日本は?

李永完(イ・ヨンワン)科学専門記者 , ユ・ジハン記者
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