大学4年生のヤン・ユギョンさん(23)も、就職準備のためにアルバイトで稼いでいる。ヤンさんは、英語のTOEIC(国際コミュニケーション英語能力テスト)対策予備校の受講料とTOEICの受験料を工面するために、週に1日だけカフェでアルバイトをしている。大学の授業とTOEICの予備校の双方をこなさなければならないため、アルバイトに時間を割くことはできないという。
TOEIC予備校の受講料は月20万ウォン(約1万9200円)ほど。TOEICの受験料も1か月に10万ウォン(2回分)だ。カフェのアルバイト代は全てTOEIC関連に使っている。
ヤンさんは「大学の授業が終わって夕方からTOEIC予備校に行くと、夜10時過ぎになるが、いつも『こんなふうに生活していて就職できるんだろうか』という思いが押し寄せる。大学とTOEIC予備校、アルバイトを全てこなすことよりも、就職に対する不安の方が精神的につらい」と話した。
このような状況でも、若者の失業問題に対する政府の認識は甘い。洪楠基(ホン・ナムギ)経済副総理兼企画財政部長官は13日、米国への出張の際、自身のフェイスブックに「全ての年代の雇用率が2か月連続で上昇する中、今月も若者層の指標回復が際立っている」「若者の就業指数が7か月連続で10万人以上増え、失業率と拡張失業率は大幅に下落した」と強調した。
これは9月の青年失業率が5.4%だったことを念頭に置いたものだ。今年初めまで青年失業率は10%台だったが、これがほぼ半減したため、政府が青年失業問題に十分に対応したと自画自賛しているわけだ。
洪副総理の自画自賛は、ピョンさんやヤンさんのような「就準準生」の現実を全く分かっていない別世界の声だ。失業統計には、就職をあきらめた人や「就準準生」は反映されない。就職準備のために金を稼ぎ始めた20代の若者層が大半なのに、政府はそれを自分たちの功績だとアピールしているようなものだ。
延世大のソン・テユン教授(経済学科)は「就職の難易度が高くなり、就職に向けて準備しているものの求職活動をしていない一種の潜在的失業者が急速に増えた」として「就職のための試験勉強をしながらアルバイトをする学生のように、統計には失業者として反映されない潜在的な失業者が多い」と指摘した。