次の試みは2017年の札幌冬季アジア大会だった。チョ・ジェボム元コーチは手紙の中で、「(大韓スケート競技連盟副会長で韓国体育大学教授の)A氏が『韓国体育大学の沈錫希が金メダルを取らなければならない』と言って(私に)圧力を加え、以前1500メートルで金メダルを取ったことのあるチェ・ミンジョンが沈錫希に金メダルを譲るよう誘導しろと言ったので、そうした。(私は)チェ・ミンジョンに頼んだ。結局、チェ・ミンジョンは1000メートルで金メダルを譲った」と書いた。別の手紙では、「チェ・ミンジョン選手の宿泊先に行って頼み込んで、チェ・ミンジョン選手は承諾した」と説明している。
当時の試合の動画を見ると、チェ・ミンジョンはスタートと共に先頭に出て、力走していたが、あと3周という時点で沈錫希がインコースに入ろうとしても、進路をふさがなかった。この時2人の順位が逆転して、首位を譲ったチェ・ミンジョンがその後、自分の後ろを滑走する3・4位の選手が追い越そうとした時は進路をふさいだ。そして結局、沈錫希が金メダルを取った。
この試合直後、動画が掲載された「ユーチューブ」のコメント欄にも、チェ・ミンジョンについて「終盤にスピードを調節したようだ」「フィニッシュラインでスケートのブレード(刃)をなぜ出さなかったか」などの意見が寄せられていた。
チェ・ミンジョンは2018年9月、「八百長を提案されたことがあるか」という質問に、「敏感なことなので、会社と相談した上でお話ししなければならなさそうだ」と答えた。チェ・ミンジョンのマネジメント会社の関係者は今月14日、「今も当時のチェ・ミンジョン答えはそのままだ。これ以上は言及したくない」とコメントした。沈錫希とそのマネジメント会社は取材に応じなかった。
チョ・ジェボム元コーチは、このような八百長の試みがあった理由について、A氏の「韓国体育大学での実績」のためだと言っている。チョ元コーチは「韓国体育大学教授だったA氏は、延世大学に行ったチェ・ミンジョンの成績が韓国体育大学出身者よりも良いという理由で私に圧力をかけた。この時、私に対する暴行と共に、八百長の指示があった」と明らかにした。A氏は「当時そのような立ち場にいなかったし、全く知らないことだ」と話している。