韓国与党・共に民主党の大統領選候補になった李在明(イ・ジェミョン)京畿道知事の少年工時代の写真をめぐり、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)上などで「もともとの写真は白黒なのか、カラーなのか」という論争が巻き起こっている。李在明氏側はこのほど、子どものころの同氏の白黒写真と共に、対立候補である尹錫悦(ユン・ソクヨル)前検察総長(日本の検事総長に相当)のカラー写真を対比させ、自身の不遇だった成長環境を強調した。ところが、2017年に自らカラー写真と見られる写真を掲載していたことが明らかになったものだ。
■世界報道自由度ランキング韓国42位、中国177位、日本は?
李在明氏の選挙陣営のイ・ギョン広報担当は7日、フェイスブックに李在明氏と尹錫悦氏の子どものころの写真を並べて掲載し、「李在明の服と尹錫悦の服」「写真を見て感じることは人ぞれぞれ」と書いた。白黒写真の李在明氏は体に合わない大きな服を着ているが、カラー写真の尹錫悦氏は制服に赤い蝶(ちょう)ネクタイをしている。父親が延世大学教授で、比較的裕福な環境で育った尹錫悦氏とは違い、「貧しさを経験」してきた李在明氏の成長背景を強調したものと解釈されている。
この写真は1978年に14歳だった李在明氏が少年工として働いていた時、弟と一緒に撮ったものだ。李在明氏は今年3月1日にもインスタグラムに同じ写真を掲載し、「体が覚えていること」「食べ物のことで悲しむようなことはあってほしくない」と書いた。この写真は、同氏が大統領選候補に選出された今月10日に選挙陣営側が記者団に配布した説明資料にも掲載されていた。
このため、ネット上ではこの写真のカラーバージョンと共に「李在明氏は『土のスプーン』(貧しい家)出身であることを強調するため、カラー写真を白黒写真に変えた」という疑惑が取りざたされた。これに対して、李在明氏選挙陣営の一部では、特定の人物が意図的に白黒写真に色を付ける処理をした可能性を提起した。
ところが、李在明氏自身が2017年1月20日、インスタグラムに同じ写真をカラーで掲載していたことが後に分かった。第19代大統領選挙出馬宣言を控えていた同氏は同年、この写真と共に「私が16才ぐらいのころ、テヤン実業の工場で働いていた時のものようだ。そこで労災により障害者になった」と書いていた。