昨年補助金1636万ウォン(約155万円)を受け取ったB団体が実施した市民講座には、北朝鮮による「天安」爆破・沈没を否定する内容があった。講師として登場したこの市民団体の人物は、「天安」爆破・沈没が北朝鮮の仕業だとされていることについて、「一言で言えば空想科学小説だ。最強の韓米の軍隊が合同訓練をしているのに、北朝鮮の潜水艦が来て爆撃するというのはあり得ないことで、いつか解明しなければならない事件だ」と言った。
補助金を受け取っているのに、実際には南北交流と関係のない教育を実施したケースも多かった。C団体は昨年、「スポーツを通じた平和教育コーチトレーニング」を実施するとして2600万ウォン(約250万円)を受け取ったが、実際には大学生サッカー・コーチを養成し、子どもサッカー教室を行うのに補助金を使った。市民写真記者を養成するとして、昨年2000万ウォン(約190万円)を受け取ったD団体は、講義のほとんどを一般的な写真実習課程にしていた。このような問題があったのにもかかわらず、これらの団体は今年の補助金支援事業に再び選ばれた。ソウル市関係者は「事後評価をしたが、細かい教育資料の内容までは具体的に見られなかった」と話した。
ソウル市南北交流協力委員長に先月任命された後、同事業の進ちょく状況を点検した高麗大学の南成旭(ナム・ソンウク)教授は「統一教育を、北朝鮮を支持したり、美化・同調したりする活動だと誤解して推進された事例がかなりあった。進歩系市民団体の親睦活動程度に過ぎないケースも一つや二つではない」と述べた。ソウル市の関係者は「今後は同事業を北朝鮮から来た人々の定着・安定のための事業など、実効性のある内容に変えて行う計画だ」と語った。