2号機と3号機は2020年7月にスクラップとして処分されたが、回収した金額は合計でわずか7800万ウォン(約730億円)だった。最終的に1-3号機の購入に使った1192億ウォンのうち、スクラップとして売却し回収できた額はわずか7920万ウォンだったということだ。
中でも3号機の場合、売却当時の評価額は100億ウォン(約9億円)を上回っていたこともわかった。しかし気象庁は年間の維持費が高くつくことや、売却先がみつからなかったとの理由で適正価格で処分できなかったという。
問題はこれらの使用期限が過ぎたスーパーコンピューターの性能が今なお優れている点だ。権議員の事務所によると、現時点で6年が過ぎたスーパーコンピューターは今も500位圏内の高いランクを維持している。
2015年に気象庁が購入し、使用年限(5年)が過ぎ処分を待つスーパーコンピューター4号機「ヌリ」は209位、「ミリ」は210位の性能を今も維持している。
ところが気象庁には現時点でこれらスーパーコンピューターの具体的な処分計画がない。そのため権議員の事務所によると、これらも以前と同じく安値で「スクラップ処理」される可能性が高いという。
権議員は「海外の事例を確認すると、調達あるいは購入の段階で廃棄時の条項が決められており、研究機関用としてリサイクルされるか、外交用として低開発国に寄付されている」「血税から巨額を投じて高価なスーパーコンピューターを購入したのだから、使用後の手続きも決めておくべきだ」と指摘した。