両親が興した平山運輸を土台にして、ゲームで大金を稼いだ崔さんは、貿易、不動産、パチンコなどに事業を広げ、大阪財界の大物へと成長した。2010年には大阪近郊に1500人を埋葬できる「望郷の丘」を設けた。「自分は両親を(韓国の)天安にある『国立望郷の丘』に納めることができたが、そこに埋葬されたくても行くことができない僑胞のため」だという。
崔さんは具玉姫(ク・オッキ)をはじめ、金鍾徳(キム・ジョンドク)、崔京周(チェ・キョンジュ)、梁容銀(ヤン・ヨンウン)ら日本に進出したゴルファーの「あしながおじさん」だった。日本のゴルフ週刊誌は「神戸にある崔さんの自宅は韓国のゴルファーにはオアシスのような場所だ」と書き、崔さんを「日本でゴルフ韓流をつくった人物」として紹介した。2013年には鳥取県の大山ゴルフクラブを買収して話題になった。大韓ゴルフ協会の国際担当理事を務める崔さんは15年から韓日のアマチュア国家代表の親善大会をそこで開き、スポーツを通じた交流と和合にも取り組んでいる。今年は日本女子アマチュア選手権も開催した。
崔さんは麻生太郎自民党副総裁との太い人脈を使い、韓日関係が行き詰まった際にはパイプ役を務めている。崔さんは「隣国が嫌だからといって、引っ越すことはできないではないか。未来を共に開拓する関係に発展させるため、政治家も顔を突き合わせなければならない」と話した。また、日本の僑胞社会の新たな団結も強調した。崔さんは「現在民団会員は35万人いる。1989年以降、日本に移住した『ニューカマー』による在日本韓国人連合会(韓人会)は17万人余りを数える。日本社会に根差した民団と比較的若い世代が多い韓人会が力を合わせ、韓国人であることを誇る在日僑胞社会をつくりたい」と抱負を語った。
ミン・ハクス記者