遺族会は「6・25戦争中に起こった蔚山保導連盟事件の犠牲者や遺族が国を相手取って起こした損害賠償請求訴訟において、裁判所が1人当たりの賠償・補償の額を最大で1億3000万ウォン(約1220万円)とした判例と比較すれば、今回提示された額は少ない」と主張している。遺族会は遺族らの意見を集め、近く対応を決める予定だ。政府は遺族会の意見を確認した上で、今年中に賠償・補償の額を正式に決める方針だ。
今回の補償は「済州4・3事件の真相究明および犠牲者の名誉回復に関する特別法」の改正案が今年2月に国会で成立したことを受け法制化された。「国は犠牲者として正式に認められた人に慰謝料などの特別な支援を講究し、必要な基準を取りまとめねばならない」とする規定に基づき、来年度予算案には第1次年度の賠償・補償金として1810億ウォン(約170億円)が含まれている。
済州4・3事件とは済州島における南労党(南朝鮮労働党)による武装蜂起がきっかけとなり、左翼勢力による集団騒乱事態が起こったことから、政府が軍や警察を動員して鎮圧する際(1948-54)に事件とは関係のない多くの済州島民が犠牲となった事件だ。