ポータルサイト「ネイバー」では昨年、寄付プラットフォーム「ハッピービーン」に約248億ウォン(約23億3000万円)の寄付金が集まった。自動、多文化、女性、環境、動物など10分野で支援対象、事情別に細分化された7699の募金箱に人々が指定寄付した。昨年地域ベースのコミュニティーアプリ「ニンジンマーケット」には無償譲渡の書き込みが213万件あった。コロナ期間中でも相手に直接会い、品物を渡そうとする人たちだ。
ソウル市城東区に住むユ・ヘジンさん(41)は9月23日、電気ストーブを近くの住民に無償で譲りに出かけると、小さな花束を受け取った。ユさんは「60代の女性が花束をくれて、『ストーブが必要だった』と何度も感謝の言葉を繰り返してくださり、気分が本当に良かった」と話した。衣類など家にある物を整理し、週に2-3回近隣に譲っているというユさんは「以前は衣類回収箱に入れたりもしたが、恵まれない隣人ではなく、営利目的に使われるという話を聞き、それからは必要な人に直接手渡している」と説明した。
延世大社会福祉学科の姜哲熙(カン・チョルヒ)教授は「寄付文化が徐々に特定対象に対する直接寄付に変わっていることは、人々の低い信頼のせいだ。こうした文化はともすると人々の関心領域にばかり資金や支援が集中する不均衡を生みかねない」と問題点を指摘した。