日本の次期首相岸田は…自己主張あいまい、政界でのあだ名は「つまらない男」

 岸田氏は外相退任後、自民党の要職である政務調査会長を務めた。知名度を高める上で役立つポストであり、「首相の座を念頭に置いた動き」だと評された。安倍氏は首相在任中、岸田氏を自身の後任に挙げ、「本当に誠実だ。相手を尊重するので、岸田と一緒にいれば楽だと感じる人が多い」と高く評価した。2人は93年に衆院議員に初当選した同期で、健康問題で酒を飲めない安倍氏の代わりに岸田氏が助っ人になり、全て飲み干したというエピソードも伝わる。

 岸田氏は自分の長所として「人の話を聞く力」を強調した。今回の総裁選出馬記者会見にも人の話を聞いて記した「岸田ノート」を持参し、「過去10年間に書いたノートが30冊になる」とアピールした。慎重で温和な性格のおかげで「敵をつくらない政治家」とも呼ばれる。そんな岸田氏に対しては、「人格は立派だが優柔不断だ」という批判が伴う。政治化として明確な主張をせず、周辺の視線を気にして、中途半端な答えばかりだからだ。落ち着いた話し方も長所であると同時に短所に数えられる。岸田氏が地方遊説に出ると、客席の大半は居眠りしているという証言が聞かれる。「永田町で一番つまらない男」というあだ名がつくほどだ。

 岸田氏が自民党で由緒正しい保守本流「宏池会」の直系だという点は今後の韓日関係に重要に働く可能性がある。岸田氏が率いる「岸田派」の根は宏池会にある。宏池会は伝統的に韓国・中国など周辺国との外交、アジア太平洋の中の日本を重視する。それだけに宏池会が輩出した首相は韓日関係に大きな足跡を残した。朴正熙(パク・チョンヒ)政権国家再建最高会議議長(当時)と韓日国交正常化を最初に話し合った池田勇人、「金鍾泌(キム・ジョンピル)・大平メモ」の当事者である大平正芳、太平洋戦争に対する反省と責任を主張した宮沢喜一などの歴代首相が代表的だ。慰安婦問題を認めて謝罪した「河野談話」の河野洋平官房長官(当時)も宏池会の所属だ。

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東京=チェ・ウンギョン特派員
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