北朝鮮の新型長距離巡航ミサイルの最大射程距離は1500キロに達するため、日本の横須賀にある米第7艦隊基地や佐世保の海軍基地はもちろん、沖縄の嘉手納基地も射程圏内に入る。これらの在日米軍基地は有事に米国の増援部隊が出動する拠点となっていることから、今回の巡航ミサイルは韓半島有事に米軍の介入をけん制することが狙いとみられる。北朝鮮が在日米軍基地を射程圏とする北極星2型(最大射程距離2500キロ)などの弾道ミサイルに続き、巡航ミサイルの開発にも成功したことから、有事に米軍の介入を阻止する北朝鮮版「接近阻止/領域または地域拒否(A2AD)」戦略を推進しているとの指摘もある。
長距離巡航ミサイルに核弾頭が装着可能かどうかにも注目が集まる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長は今年1月の労働党第8次大会での報告で「常用弾頭の威力が世界を圧倒する新型の戦術ロケットと中長距離巡航ミサイルをはじめとする先端核戦術武器などを続けて開発することで、信頼できる軍事技術的強勢を確実に手にした」と述べた。北朝鮮の発表が正しければ、中長距離(長距離)巡航ミサイルにも戦術核弾頭が装着できることになる。長距離巡航ミサイルには500キロ以下の弾頭を装着できるとみられるが、これは核弾頭の小型化がかなりのレベルにまで進展しなければ実際に装着できないということだ。
北朝鮮はこの日、移動式発射台からミサイルが発射される様子と飛行の様子を撮影した2枚の写真も公開した。写真を見た専門家は「韓国が開発・配備した玄武3と米国のトマホークに外形が似ている」と指摘する。韓国国防安保フォーラムのシン・ジョンウ事務局長は「ミサイルに装着されたエンジンの空気吸入口の位置などは玄武3よりもトマホークにもっと似ているようだ」との見方を示した。韓国は2000年代初め以降、米国の巡航ミサイル「トマホーク」に似た玄武3(最大射程距離1500キロ)を実戦配備した。正確度は3メートル以内で、米国のトマホークと同じか、より優れているという。