朴槿恵元大統領の「セウォル号空白の7時間」を巡っても、「ホテルで密会を楽しんだ」「美容整形の施術を受け、プロポフォール注射を受けた」「シャーマンを儀式を行っていた」といった疑惑が飛び交った。外遊中には高山病治療のために警護室が持参した「バイアグラ」も問題にした。「青瓦台に四方が鏡張りの部屋がある」とも言った。全て事実無根だが当時には事実のように聞こえた。
崔順実(チェ・スンシル)氏の隠し財産が300兆ウォン(約28兆円)に達すると言った民主党の安敏錫(アン・ミンソク議員が裁判で1億ウォンの損害賠償を命じられた。安議員は2017年、崔氏の隠し財産を探すと言い、欧州を訪れた後、「朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の統治資金が8兆9000億ウォン、現在の価値で300兆ウォンを超える。そのカネが崔氏一家の財産の出発点だ」と述べた。朴元大統領が死亡した1979年の政府予算は4兆5000億ウォンだった。世界最高の富豪ビル・ゲイツ氏の財産は126兆ウォンだ。いくら政治目的に誇張だと言っても、崔氏の財産300兆ウォンはあんまりではないか。
ところが安議員は逆に裁判所を非難し、「崔氏一家の財産を調べる特別法が必要だ」と語った。疑惑を指摘するにしても最小限の根拠があり、常識に当てはまらなければならない。しかし、そんな様式は必要ない人がいるようだ。彼らはうそだと分かっても一言も謝罪しない。むしろ腹を立てて反撃をする。そんな人々がこの国の高位公職者たちだ。
ペ・ソンギュ論説委員