今回の演習の標的になった旧オリバー・ハザード・ペリー級は全長138メートル、幅14メートル、満載排水量4100トン級の船だ。2010年3月に北朝鮮の潜水艦の魚雷攻撃で沈んだ哨戒艦「天安」(満載排水量1220トン)より3倍も大きいにもかかわらず、たった1発で沈んだ。今回の訓練で使った重魚雷と「天安」を爆沈させた魚雷は同様の威力を持つと推定される。潜水艦の艦長を務めた経験を持つムン・グンシク韓国国防安保フォーラム対外協力局長は「今回の実験は、典型的な重魚雷の爆発の模様を示しつつフリゲート艦を撃沈した」と語った。
これに先立ち1999年には、韓国海軍の潜水艦「李阡」(SS062)が「TANDEM THRUST 99」演習で、米海軍の1万2000トン級の退役巡洋艦(旧ガルベストン級『オクラホマシティー』)をドイツ製SUT重魚雷1発で真っ二つにして撃沈した。オーストラリア海軍は同年、潜水艦(コリンズ級『ファーンコム』〈SSG73〉)から発射した魚雷1発で2700トン級の退役駆逐艦「トレンス」を撃沈した。専門家らは「こうした一連のバブルジェット実験は、『天安』が魚雷によって真っ二つになったということを確実に証明してくれる」と語っている。
「天安」爆沈事件後、韓国と米国・オーストラリア・英国・スウェーデンの5カ国の専門家73人からなる合同調査団も、92日にわたる合宿調査と数多くの模擬実験など科学的検証を経て、満場一致で「北朝鮮の魚雷攻撃」と結論付けた。だが、まだ一部では座礁説、船体破壊説など、韓国政府および韓国軍当局の発表を否定する「天安陰謀論」を主張している。今年4月には韓国大統領直属の軍死亡事故真相究明委員会が、「米軍艦衝突説」などを繰り広げているシン・サンチョル氏の陳情を受理して再調査委を推進して波紋を起こし、後に再調査計画を撤回するという一幕もあった。シン氏はかつて「韓国政府が天安の沈没原因を捏造(ねつぞう)しようとして救助を遅らせた」「国防相が証拠を隠滅した」という主張を行った人物だ。
ユ・ヨンウォン軍事専門記者