キャシー・パーク・ホンは「(差別は)これまで生きている間ずっとそうであったし、私が生まれる前もそうだった」としつつ「米国は極めて深い場所から分断された国」と語った。移民者の国・米国の力動性を「メルティングポット」(るつぼ)や「サラダボウル」になぞらえることもあるが、彼女は「人種問題はあまりに複雑で、どの暗喩もぴったりと当てはまらない」とし「それ(暗喩)は神話にすぎない」と語った。
同書が出た後、周辺の移民第2世代が熱狂的な反応を示したという。キャシー・パーク・ホンは「自分の経験や感情を全く同じように確認できたと語る他の人種、黒人・ラテン系・イスラム系読者の反応も驚異的だった」と語った。ここから、「白人がごく普通」という神話に対抗する非白人連帯の必要性や可能性が捉えられる。彼女は、韓国語版の序文に「平等のための米国黒人の闘争がなかったなら、私たちの両親をはじめとする数多くの家庭が、米国に移民するチャンスすら享受できなかっただろう」と記した。
米国と状況が異なる韓国の読者は、やや温度差を感じることもあり得るだろう。キャシー・パーク・ホンは「韓国人は韓国に住む白人に、東南アジア人や黒人とは正反対の態度で接する」とし「白人優越主義がどれほど根深いか、世界的に人種主義がどれほどありふれているかを悟ることになればうれしい」と語った。世界的な人種主義から韓国だけは例外ということはあり得ず、平等に向けて進んでいく連帯から韓国だけは列外に残るということはできないからだ。