■「批判の声を押さえ込もうとする中国の不安感」
韓国政界からは、中国共産党が韓国の大統領選挙に深く介入している証拠だという見方が出てきた。記者は7月19日の昼に行ったハミルトン教授との電話インタビューと、その前の週の書面インタビューを通して、組織的に海外での影響力膨張を図る中国の目的と意図を分析してみた。
-来年3月の韓国大統領選挙を前に、シン海明・駐韓中国大使が行った発言をどう見るか?
「韓国の政治家を統制(control)し、圧迫しようとする目的で行ったものだとみている。尹・元検察総長のインタビューをきっかけとして韓国で中国に批判的な声が高まることを押さえ込もうとする不安(anxiety)といら立ち(irritation)から出た発言だと判断される」
-オーストラリアの事例を基に、韓国人にアドバイスするとしたら。
「韓国とオーストラリアはこの数年間、中国の経済的な脅迫(bullying)で最も大きな苦痛を味わった。私は韓国人に、『戦略的競争』や『文明の衝突』といったような大層なことではなく、韓国内部で起きていることに注目せよと言いたい。中国共産党(CCP)の基本戦略は、韓国の各機関の独立性を損なうことにより、北京に抵抗しようとする韓国の力を弱める(undermine)というものだ。このためCCPは、韓国のさまざまな機関を抱き込み(co-opt)、なだめすかし(groom)、時には覆す(subvert)方法を用いて中国に服従するようにしている」