ハミルトン教授は「中国共産党(CCP)は中国の支配に抵抗しようとする相手国の力と意思を弱めるため、執拗(しつよう)かつ緻密、持続的に動く『静かな侵攻』を行っている」とし「CCPは有形・無形の手段から心理的技法まで総動員して韓国の政治、企業、学界エリートを懐柔し、包摂し、時には脅している」と語った。
実際ハミルトン教授の著書は、中国の報復を恐れたオーストラリアの有力出版社から相次いで出版を拒否された影響で難関に直面したが、無名の小さな出版社が引き受けたことで辛うじて光明が差した。ハミルトン教授は「もし私が『米国の静かな侵攻』についての本を書いていたら、オーストラリアの出版社はワシントンからの報復を恐れなかっただろう」とし「それが自由な米国と、そうでない中国との根本的な差異」と指摘した。
ハミルトン教授は「中国は、究極的には米国を抑えて世界唯一の覇権国になろうとしている。このためにオーストラリア、韓国、日本などが米国との同盟から離脱することを戦略目標として推進している」と語った。韓国の状況に関しては次のように診断した。
「中国は韓国の各分野の指導層に、北京擁護論者や融和論者を既に多数確保した。財界には、北京を満足させることを唯一の目標として活動する人が多い。韓国の政治指導層は早々と中国におびえて惰弱な態度を保っている。中国に融和的な姿勢で、韓国人が困難の内に実現した独立と自由を守ることができるだろうか。それは『危険な賭け』だ」
ハミルトン教授は「今や韓国国内の親中政治家、財界エリート、言論形成者らは自由と独立を売り渡しつつある」とし「韓国人は独立と自由を守るため、中国が経済報復をしたらこれに耐えて打ち勝たなければならない」と語った。
宋義達(ソン・ウィダル)先任記者