試合が終わった後、G.G.佐藤さんと向かい合って話を聞いた。マッコリを飲みながら中継していた佐藤さんは酔いが回っているところに涙まで加わり、赤くなった目で言った。
今月満43歳になるG.G.佐藤さんの本名は「佐藤隆彦」だ。2008年夏の北京五輪まで、彼の野球人生は平たんだったが、「世紀の落球」と呼ばれる失策後は紆余(うよ)曲折があった。
-今日はどうしてマッコリを飲んだんですか?
「韓国に勝とうという意味で飲みました。日本には『相手をのむ』という言葉があるんです。おかげで今日、日本が勝てたのではないでしょうか」
-韓国で「ありがとうG.G.佐藤」と呼ばれていることを知っていますか?
「最近、ある日本の記者が教えてくれて知りました。『韓国でG.G.サンキューって呼ばれているのを知っている?』って」
-その試合以降、韓国では相手選手がミスすると、「ありがとう○○」と言うのがはやっています。
「そうですか。近藤、今日危なかったな! 『ありがとう近藤』になるところだったから。だけど、韓国の人たちが私のことを知っているなんて不思議ですね。韓国語でSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やってみましょうか?」
-韓国チームに「ありがとう」と思った選手はいますか?
「あえて『ありがとう』と言うような選手はいないですね。正直言って、韓国の選手たち全員を尊敬していると言いたいです。欠点を挙げたいと思うような選手は1人もいませんでした。むしろ、韓国が東京五輪に出てくれてありがたいと思っています。新型コロナのために参加しない国もありますから」
-最も印象的な選手は誰でしょうか。
「韓国の5番打者・金賢洙(キム・ヒョンス)は本当に最高です。彼が20歳の時に北京で会ったけど、30代のベテランになっても東京で大活躍しました。北京の時の金賢洙のことは今もすごくはっきり覚えています。本当に印象的でした。長い間、ずっとよくやっているということがどれだけ難しいことか分かるので、彼のことを『超リスペクト』しています」
東京=ヤン・ジヘ記者