ブルックス元司令官は「このせいで米軍は、アパッチ攻撃ヘリ部隊など韓国国内の特定兵力を、訓練のため日本やアラスカに再配置することを検討している」と語った。直接の言及はしなかったが、慶尚北道星州のTHAAD(高高度ミサイル防衛システム)基地問題も念頭に置いたものという解釈も出た。
ブルックス元司令官は、韓国国内における在韓米軍の訓練が難しくなった理由を「韓国国内の政治的圧迫」と分析した。ブルックス元司令官は「文在寅政権はトランプ前政権の期間に(訓練中断と関連がある)ポピュリズム的政策を採択したが、最近はあまり政治的でないやり方でこうした事案にアプローチしている」とし、「こうした基調は韓国が大統領選挙に差し掛かっても維持されるべき」と語った。
ブルックス元司令官は、韓米同盟の障害物として中国を挙げた。2016年のTHAAD配備決定後、中国が韓国へ経済報復を加えたことに言及し、「米国と韓国が近づくほど、中国は韓国をいじめるだろう」「韓米の指導者は中国の経済的強圧に対する具体的な対応案を用意すべき」と語った。
韓米は伝統的な軍事同盟を越え、中国・ロシアに対抗して経済・政治分野にも及ぶ共同防衛体制を確立すべきと指摘するブルックス元司令官は、中国など外部勢力が韓国の大統領選挙に介入する可能性も示唆した。ブルックス元司令官は「韓国は選挙運動の局面に入りつつあり、巧妙かつ陰険な影響力の標的になる可能性が高い」とも語った。
またブルックス元司令官は、北朝鮮との「終戦宣言」は非核化に向けた信頼を構築できるとの見方を示しつつも、「終戦協定を平和協定と混同してはならない」と指摘した。一部からは、ブルックス元司令官が終戦宣言に前向きな立場を見せたという解釈が出た。しかし「韓米は平和協定を越え、北朝鮮を同盟主導の秩序へ完全に統合するだろう」という寄稿記事の内容は、現在の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)体制が軍事的に完全に無力された後でなければ不可能、という分析が支配的だ。