はじめの50メートルまでで8人中6位(23秒17)だった黄宣優は、ターンをしてからスピードを上げた。右側だけで息継ぎをする彼の視野にリードしているドレセルなどライバルたちの姿が入った。80メートルぐらいを過ぎると、テレビ中継映像に1-3位で泳いでいるドレセル、アレサンドロ・ミレシ=イタリア=、マキシム・グルセ=フランス=のスピード(秒速)が表示されていた。
しかし数秒後、グルセの代わりに黄宣優のレーンに太極旗(韓国国旗)とリアルタイムの秒速を知らせるグラフィックスが表示された。黄宣優が3位になったという意味だった。結局、ドレセル(47秒23)、ミレシ(47秒52)、黄宣優(47秒56)の順にタッチパッドにタッチした。
後半50メートルだけを見れば、黄宣優(24秒39)が決勝進出選手8人の中で最も速かった。オーバーペースになってメダルを逃した200メートル自由形とは違い、100メートルでは思い通りに試合が行ったということだ。黄宣優は「ドレセルの隣でレースをしたことはとても有用だった」「体調管理をしっかりして、決勝では最高の記録を出せるよう頑張りたい」と誓った。
100メートル自由形決勝は29日午前11時37分に行われる。1952年ヘルシンキ五輪で鈴木弘=日本=が2位になって以降、アジアでは誰も同種目で表彰台に立っていない。世界選手権では2015年カザン大会で1位になった寧沢涛(47秒84)が過去唯一のアジア出身入賞者だ。黄宣優は第6レーンでレースに臨む。