■政府が新聞評価基準づくり 表現の自由低下懸念
ABC協会は「支局(販売店)は支局長(店主)個人の営業場所で、新聞社も何部を配達しているか把握しにくい」とし、「文化体育観光部の職員と外部の人物が実施した設問調査とインタビューだけでABC協会の部数調査に問題があるとする主張は受け入れ難い」と反発した。成均館大法学専門大学院のチ・ソンウ教授は「ABC制度は客観的に部数を把握することで、メディアに対する政府の影響力を制限しようと創設したものだ。(今後)政府が新聞を評価する基準を設定し、その影響力を直接数値で把握すれば、表現の自由を低下させかねない」と指摘した。
また、政府が直接購読率、閲読率調査を通じ、新聞メディアの影響力を把握すれば、主要紙ではない零細メディアは実態把握すら不可能になると予想される。ABC協会には現在、新聞社912社を含む1592社が加盟している。
専門家は現在のABC制度に改善点がないわけではないが、だからといって政府が直接メディアの影響力を評価するというのは世界的に例がなく、ABC協会のような民間機関を設立した趣旨と精神に反すると批判している。鮮文大言論広告学部の黄懃(ファン・グン)教授は「ABC制度自体に問題があるのではなく、政治的な意図で政府がABC協会の資料の活用を中断することの方が問題だ。政府のメディアに対するランク付けがさらに露骨になるのではないか」と懸念した。