しかし、昨年の政府による広告出稿額を見ると、有料部数に比例して広告が掲載されたわけではないことが確認できた。昨年政府から最も多くの広告を受注したのは東亜日報(95億2000万ウォン)、次が中央日報(83億2000万ウォン)で、朝鮮日報は76億2000万ウォンで3位、ハンギョレは50億9000万ウォンだった。これを有料部数1部当たりの政府広告出稿額で比較すると、朝鮮日報は6552ウォンなのに対し、東亜日報は1万2983ウォン(1.98倍)、中央日報は1万2342ウォン(1.88倍)でいずれも2倍近く、ハンギョレは2万6393ウォンで朝鮮日報の4.02倍に達することが分かった。過去10年間の政府広告総額で比較しても、こうした傾向に大差はなかった。
政府や一部与党議員の認識とは異なり、実際には朝鮮日報の有料部数と比較した政府広告額は最も少なく、むしろ一部新聞は認定された有料部数に比べ、政府公告を多めに受注していたことになる。
■閲読率、購読率に変更しても順位不変
政府は毎年5万人を対象に「どの新聞を読んでいるか」「最近1週間にどの新聞を読んだか」(複数回答)といった調査に基づき、政府広告の出稿、補助金支給、メディア支援事業などを行うと表明した。民間機関のABC協会がこれまで開発した標本調査方式から政府傘下の言論振興財団が行う設問調査方式に変更される。
言論振興財団はこれまで毎年、国民5000人を標本として閲読率、購読率を調べて発表してきた。「2020言論受容者調査」によると、20年の韓国の新聞全体の閲読率は10.2%で、新聞を読んでいるのは国民の10人に1人と判明した。新聞社別の閲読率は朝鮮日報(3.2%)が最も高く、東亜日報(1.5%)、中央日報(1.4%)、毎日経済新聞(0.5%)、ハンギョレ(0.4%)の順だった。これはABC協会が発表してきた新聞別の有料部数と順位に大差なかった。同財団が閲読率をシェアに換算したところ、朝鮮日報が26.0%、東亜日報が12.4%、中央日報が11.3%、毎日経済新聞が4.5%、ハンギョレと韓国日報が3.6%だった。シェアで比較した場合、トップと2、3位の新聞の差が2倍を超え、ABC協会による部数調査よりもメディア間の格差がさらに広がった。