警察庁失踪者家族支援センターは、今年3月からミョンスクさんと個別面談し、警察に登録された遺伝子を比較して、ついにカナダで暮らす次兄ヒョンシクさんの存在を突き止めた。外交行嚢(こうのう)を通じてヒョンシクさんの遺伝子を受け取り、照合する過程も経た。仁川市南区に住む長兄ヒョンゴンさんとも連絡がついた。
家族と別れ別れになっていた間に、ミョンスクさんの両親と末の妹はこの世を去った。ミョンスクさんは「一緒に会えたら本当に良かったのに」と涙声で語った。この日の再会には、ミョンスクさんの2人の息子と夫、ヒョンゴンさんの2人の娘と妻も立ち会った。ミョンスクさんは兄たちの前で、4歳だった子どものころに戻ったかのように、これまでのことをあれこれと話した。ヒョンシクさんが「昔はミョンスクはあまり話さず、私とばかり話していたのに」と言うと、ミョンスクさんは「私はお兄さんの後ばかり追っていたんですか? それなら、お兄さんが腰にひもをつけて私を連れ回してくれれば良かったのに」と笑った。