静岡県の発表によると、今回の事故は人災という性格も大きい。静岡県は4日、今回土石流が発生した地域で数年前から木材の伐採事業が行われてきたことを明らかにした。伊豆山地区中腹で木を伐採し、5万4000平方メートルをかさ上げして住宅地を造成したのだが、そのうち約5万平方メートルが崩壊してしまったのだ。土石流が起こった地点から南西に少し離れた場所には太陽光発電施設が設置されていたことも明らかになった。静岡県の川勝知事は「記録的な豪雨が土石流の直接の原因だが、(開発事業と土石流との)因果関係も調べる必要がある」とコメントした。
最近日本では今回の土石流と同じような災害が毎年繰り返されており、日本社会は不安を感じている。日本は以前から自国を「自然災害大国」と称してきたが、ここ数年は梅雨のたびに「豪雨被害」が発生しており、またその被害規模も大きくなっている。7月初めの梅雨の時期に降った豪雨の影響で、2017年には九州北部地域で40人以上、18年には西日本一帯で280人が犠牲になった。18年の西日本豪雨は「平成最悪の水害」とも呼ばれている。20年には大雨で川が氾濫し、熊本県だけで67人が死亡した。
とりわけ集中豪雨により「災害弱者」とされる高齢者の犠牲が繰り返されている。都市から離れた田舎の村で一軒家に住んでいた高齢者が必要なときに避難できず、古い住宅に閉じ込められた状態で浸水し死亡するケースが毎年のように起こっている。日本政府はインフラ整備のための「国土強靱(きょうじん)化計画」に2021-25年で15兆円の予算を組み、堤防の整備、老朽化した橋の再建設、ダム建設などの対策を発表してきたが、今年も同じような惨事が繰り返されてしまった。