「夫が会社の同僚と不倫」…韓国ネット上で相次ぐ「私的復讐」

姦通罪廃止後、刑事罰できず 法的慰謝料は多くて3000万ウォン
恥かかせて報復するという心理

 法曹関係者の間では、2015年2月に姦通(かんつう)罪が廃止され、不倫に対して直接刑事処罰をすることが難しくなったことが影響していると見られている。現在、不倫は民事上の損害賠償を請求し、慰謝料を取るという形の迂回(うかい)処罰のみ可能だ。法務法人「スンウォン」の離婚専門弁護士ハン・スンミ氏は「現行法上、相姦者(配偶者の不倫相手)訴訟を行うのが唯一の方法だが、受け取れる慰謝料は多くても3000万ウォン(約290万円)程度だ」「慰謝料で精神的被害を完全に補償され廷内と考える時、私的復讐(ふくしゅう)をしようと行動するケースが多い」と話す。不倫した配偶者の会社の倫理委員会に通報したり、会社の建物の前で「1人デモ」したりをするケースもある。「会社の名誉失墜」を理由に、配偶者に減給・停職・退職勧告など追加で懲戒処分を受けさせようというものだ。現在、大法院の全員合議体で「自分の家で妻と不倫行為を行った男を住宅侵入罪で告訴した事件」が裁判になっているのも、同様の脈絡だ。ネット上の不倫暴露も「迂回処罰」の一手段だ。

 このような不倫暴露の副作用を懸念する声もある。無分別に誰かの不倫の事実が拡散される過程で、間違っている内容が広がったり、無関係の人が当事者だと指摘されて個人情報が暴かれたりすることがそうした副作用の代表的なものだ。また、不倫の事実の暴露は名誉棄損に該当する可能性があるため、それに伴い反撃される場合もある。離婚専門弁護士のチャン・スジン氏は「不倫をした人の知人たちに不倫の事実を知らせたり、職場の前で1人デモをすれば、名誉棄損で訴えられる可能性がある」「そうなれば、警察の取り調べを受けたり、100万-200万ウォン(約9万8000-約19万6000円)の罰金を取られるかもしれない」と語った。

 啓明大学社会学科のイム・ウンテク教授は「不倫を含めて司法的な解決が容易でないと思われる問題が、(動画投稿・共有サイト)ユーチューブや(青瓦台)国民請願などを通じて暴露されている」「公的信頼が崩れるし、『ネーミング・アンド・シェイミング(naming and shaming=名前をさらして恥をかかせること)』がこれに代わる望ましい問題解決方法だとは思えない」と語った。

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キム・ユンジュ記者
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