報告書はUFOについて、「米国の国家安全保障に脅威となり得る」とし、「(一部のUFOは)中国やロシアが開発した技術である可能性もある」とした。実際位米国の軍と情報当局からはUFOが中国やロシアの極超音速技術実験ではないかとの見方が示されてきた。中国とロシアは巨額の予算を投じ、米国と極超音速兵器の開発競争を繰り広げている。音速の5倍以上で飛行し、目標を攻撃することが目標で、米国のミサイル防衛(MD)システムによる監視網も避けることができる。
報告書には地球外生命体に関する言及はなかった。ある当局者はロイター通信に対し、「報告書に盛り込んだ144件には地球外生命体と関連があるかどうか明確な兆候はなかった」とした。
これまで米政府と軍当局はUFOには実体がないとする立場を取ってきたが、内部では数十年間にわたり、UFOの正体を突き止めるための秘密プロジェクトを進めてきた。米ニューメキシコ州ロズウェルにUFOが墜落し、米軍が空飛ぶ円盤の残骸と宇宙人の遺体を回収したといううわさが広がった「ロズウェル事件」の翌年の1948年、米国防総省が行った「プロジェクトサイン」が最初の調査だ。52-69年に行われた「プロジェクトブルーブック」は約1万2000件のUFO目撃事例を調べ、うち701件が未解決のまま残った。プロジェクトブルーブックの報告書は「UFOに対する調査評価の結果、国家安全保障に脅威になるいかなる兆候も見つからなかった。地球外の飛行物体だと判断する根拠もない」とする結論を下した。
今回の報告書でUFOの存在を認めたことについて、ロイター通信は「1940年代以降の未確認飛行物体に対する観測結果の信ぴょう性を『一蹴』してきた米政府のターニングポイントになった」と報じた。NBCテレビも「米政府の報告書で(1947年に初のUFO目撃談が出て以降)タブーとからかいの対象だったUFOについて、人々が真剣に語っている」と伝えた。
ワシントン=イ・ミンソク特派員