6・25戦争の英雄で韓国軍設立当時の元老でもある故ペク・ソンヨプ将軍(1920-2020)の一周忌(7月10日)を前に、韓国政府や韓国軍として公式行事の準備は事実上行わないことが24日までに分かった。韓国国防部(省に相当)、陸軍、国家報勲処はこの日「ペク将軍の追悼行事を公式に執り行う計画は今のところない」と明らかにした。国防部と陸軍は「関係する機関や団体においてさまざまな行事を準備していることを知っている」「これらの団体が支援を求めてきた場合、可能な範囲で支援を行いたい」とコメントした。ペク将軍が多富洞の戦いで指揮した陸軍第1師団など、関係する部隊でも特別な追悼行事は行わないという。報勲処も同じ立場だ。
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これを巡って韓国軍とその周辺では「ペク将軍に対する現政権の都合の悪い見方が反映されたのでは」との指摘が相次いでいる。与党勢力はペク将軍が日帝強占期に日本軍に所属していた記録ばかりを強調し、ペク将軍をしつこく批判あるいは侮辱してきた。文在寅(ムン・ジェイン)大統領と韓国与党・共に民主党の執行部は昨年のペク将軍の告別式などには出席せず、一部の与党系団体はペク将軍が国立大田顕忠院に埋葬される際に反対の抗議集会を行った。報勲処は今年2月、ペク将軍の墓地に設置された案内板まで撤去した。陸軍が2014年にペトナム戦争の英雄である故・蔡命新(チェ・ミョンシン)将軍の一周忌の際、陸軍本部に「蔡命新将軍室」をオープンするなど、追悼に積極的だったこととは非常に対照的との指摘も出ている。
社団法人「国家元老会議」や「ペク・ソンヨプ将軍記念事業会」などは25日、慶尚北道漆谷郡の多富洞戦績記念館で一周忌追悼行事を執り行う。しかしこれに国防部の徐旭(ソ・ウク)長官や南泳臣(ナム・ヨンシン)陸軍参謀総長など韓国軍の幹部は出席しない。徐長官は陸軍参謀総長だった昨年、ペク将軍の「陸軍葬」を葬儀委員長の立場で主管した。その際、徐長官は「将軍は誰にもまねのできないただひたすら国のための献身そのものだった」「大韓民国陸軍のシンボルであり、韓米同盟のシンボルでもあった」と述べた。