「近くて遠い国」で開催されるオリンピックまであと1カ月を切った。韓国の選手たちは既に国内で「東京適応訓練」の真っ最中だ。
五輪サッカー代表チームが22日から集まり、汗を流している坡州NFC(韓国代表チームトレーニングセンター)のグラウンドの芝生はいつもより短くカットされている。さらに、ここでのスプリンクラーの作動時間は長くなった。
キム・ハクボム監督は「日本サッカー場の芝生は短い上、水をたくさんかけて滑りやすい。だからボールが速く転がる」「NFCのグラウンドを日本と同じように作り、韓国の選手たちが慣れるようにした」と語った。
卓球の韓国代表チームは21日から二日間、慶尚北道聞慶市の韓国軍体育部隊で、五輪競技が開催される東京体育館と同様の環境を作って、韓国代表第2陣(Bチーム)と実戦さながらの試合を行った。卓球台やフロアマット色、スポンサーのロゴがあるフェンスの高さまで合わせて、実際の五輪会場にいるような感じが出るようにした。
決勝戦に先立ち、放送で選手と審判を紹介し、中継カメラが卓球台の周りを回る演出までして、本番のムードを出した。
2016年のリオデジャネイロ五輪で「全冠王」(金メダル4個)を達成したアーチェリー韓国代表チームは5年前、泰陵選手村に五輪スタジアムそっくりのセットを作り訓練の集中度を高めた。競技場の奥の壁や電光掲示板の位置・形状を同じように作ったものだった。
今回はよりディテールを生かした。東京・夢の島公園アーチェリー場をそのまま移したようなセットを鎮川選手村に建てた。200席分の観客席もある。試合の状況に応じて、英語と日本語で会場アナウンサーのコメントが出てくる。韓国代表は5月25日から3日間、ここで特練をした。今月21日からは中継カメラまで設置した状態で再び弓を引いている。
大韓アーチェリー協会の関係者は「これまでの五輪では満席になった観客席から騒がしい音が聞こえるという状況を想定して準備するのがポイントだった」「東京では観客が最大でも50%入場するということなので、現場中継の音やカメラの動きがさらに気になるかもしれない点を考慮に入れている」と語った。