A氏は結婚式の1カ月前だった昨年1月、金を返さないB氏を詐欺容疑で京畿道・安養東安警察署に告訴した。被害金額が5億ウォン(約4900万円)を超えているため、特定犯罪加重処罰法が適用された。告訴されて戦々恐々としたまま娘の結婚式を挙げた日、A氏一行に式場まで押しかけられ、ご祝儀を奪われたのだ。B氏側は「A氏一行のせいで、娘の結婚式場で婿の親や招待客の前で顔を挙げることができなかった」と話す。A氏一行はこの時、B氏に「祝儀金を債務返済用に渡す」という内容の合意書を突きつけ、「祝儀金を渡さなければ騒動を起こす」と脅迫した、というのがB氏側の説明だ。B氏は、結婚式を台無しにされると思って合意書に署名したが、B氏の夫は「娘の結婚を祝うお金として受け取ったものを差し出すことはできない」と、最後まで抵抗したという。
この騒動後も、A氏側ではB氏に対する詐欺告訴を取り下げていない。このため、B氏も事件発生から1年過ぎた今年2月、ソウル・江南警察署にA氏と当時の一行のうち1人を共同恐喝・共同強要・債権回収法違反で告訴した。B氏側は「お金を返せなかったという罪の代償は当然払うが、それと同じように、娘の結婚式を台無しにした代償は向こうも払わなければならないのではないか」と言った。そして今年4月、B氏は借金を返せなかったとして一審で懲役2年の刑を言い渡され、法廷拘束された。B氏の夫は今月初め、A氏一行の残りの7人の告訴状を江南警察署に追加で提出した。
警察は「A氏らを出頭させて事情を聞いたが、双方の見解が食い違っている状況だ」「二つの告訴状を合わせて捜査する計画だ」と明らかにした。A氏が勤めていた製薬会社の関係者は「会社を辞めてかなりたつので、会社としては事実関係を把握していない」「特にこれと言った見解を表明するのは難しい」としている。