韓国の原子力潜水艦技術を狙う北朝鮮、原子力研究院と大宇造船海洋にサイバー攻撃

潜水艦関連の一部資料が流出
新型の3000トン級潜水艦「島山・安昌浩」関連も
SLBMの垂直発射技術が狙いか

 北朝鮮は2016年4月に大宇造船海洋に対してサイバー攻撃を行い、1-3級の軍事機密60件以上を含む4万件の内部資料が奪われた。3000トン級潜水艦をはじめとして栗谷・李珥(ユルゴク・イ・イ)などのイージス艦、蔚山級バッチⅡなどのフリゲート艦、統営(トンヨン)など救難艦の設計図や建造技術に関する資料、搭載兵器に関する資料、試験評価資料、提案書の評価資料なども流出したようだ。

 海軍の3000トン級潜水艦は3段階にわたり合計9隻が建造されているが、現在は1段階2番艦まで進水式が行われた。SLBMは1段階に6発、2段階と3段階にそれぞれ10発ずつ搭載される。ミサイルは発射される艦橋ではなく船体の中央に装着される。ある韓国軍筋は「北朝鮮も潜水艦に3-4発以上のSLBMを搭載するには、韓国の張保皐(チャン・ボゴ)Ⅲ級のように潜水艦の船体中央に装着しなければならない」「そのような面で韓国の3000トン級潜水艦の設計技術などを奪う必要があったのだろう」との見方を示した。

 北朝鮮の原子力潜水艦開発は今年1月に金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が正式に開発宣言を行ったことで知られるようになった。当時の労働新聞は「新しい原子力潜水艦の設計に関する研究が終わり、最終審査の段階にある」と報じた。原子力潜水艦建造には幾つかの技術的な難関があるが、その最も大きなものは潜水艦に搭載される安全な小型原子炉の開発だ。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領をはじめとする韓国の現政権は原子力潜水艦の保有に強い意欲を示してきた。専門家は「小型原子炉の設計など原子力潜水艦の基本技術はある程度確保した」と評価している。原子力研究院は韓国国防科学研究所と協力し、原子力潜水艦開発の中心的な役割を担っているとされているため、最近は北朝鮮がサイバー攻撃の重要な標的としているようだ。さらに韓国政府や韓国軍に加え最近は防衛関連企業に対する北朝鮮のサイバー攻撃も続いていることから「これらの企業もサイバー攻撃に対する備えをさらに強化すべきだ」との指摘もある。

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ユ・ヨンウォン軍事専門記者
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  • ▲2018年9月14日に慶尚南道巨済市の大宇造船海洋玉浦造船所で執り行われた韓国初の3000トン級潜水艦「島山・安昌浩(トサン・アン・チャンホ)」の進水式。/巨済=ニューシス

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