台湾・韓国・日本に集中する半導体サプライチェーンを「リスク要素」と見なした米ホワイトハウス

 報告書は「韓国」と「サムスン電子」にもそれぞれ51回、35回言及した。主に最先端技術に関する内容だ。報告書は「サムスン電子は多彩な半導体製品を生産しており、ロジックIC、メモリー、センサーで競争優位に立つ」とし、7ナノメートル(1ナノは10億分の1)と5ナノメートルの製造プロセスで生産する数少ない企業の一つだと評価した。また、「サムスン電子は製造能力を高めるため、製造面と技術面の優位を利用しており、技術分野でのリーダーシップがさらに強化されている」と指摘した。

 報告書は米国に半導体メーカーがないことにも不安を表明。「半導体生産リスク」の項目では、「米国は現在最新の半導体製造プロセスで生産能力が不足している」とし、5ナノメートルの微細製造プロセスで生産を行えるのはTSMCとサムスン電子だけだと指摘した。

 現在米国にとって最大のリスクも先端半導体の生産能力が不足している点だとした。報告書は「米国で最も発展した工場は10ナノメートル製造プロセスで生産できるインテルだけだ」とし、インテルは2023年になっても7ナノメートル製造プロセスによる生産はできず、今年1月にTSMCに一部製品の生産を委託する計画を発表した。

 米国の半導体産業はファブレス(半導体設計企業)に集中している。インテル以外に半導体の設計と製造が可能な企業はない。クアルコム、エヌビディア、AMDなどはチップの設計のみを行い、生産はTSMCとサムスン電子に委託している。

 今後半導体分野は第5世代(5G)移動通信、モノのインターネット(IoT)、人工知能(AI)、ネットワーク、クラウドなどの発達で高成長が予想されている。しかし、自国内に半導体生産能力、サプライチェーンを持たない米国はアジア各国に半導体供給の主導権を奪われるのではないかとする懸念が大きい。報告書は「米国内で最先端技術を生む能力が劣ることは国家安全保障にもリスクになり得る」と警告した。

■インテルが半導体売上高ランキング1位…サムスン2位、日本は?

パク・チヨン記者
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