ソウル市立大は昨年11月に同展示会を開始する際、約120年間の平壌の変化を写真と地図などで展示する企画展だと説明した。展示会を主管した市立大博物館は「2018年から平壌経済研究所など関係機関から資料を収集してきた」とし、「総長の決裁を受け、展示会を開催した」と説明した。ソウル市によると、同展示会には大学の予算9100万ウォン(約893万円)が投じられた。
市立大関係者は「平壌について紹介する部分は大部分がソウル市、統一部の研究資料、大学教授らの論文、文学などに登場する表現を抜粋、引用したものだ」としたほか、「『スペクタクル平壌』という表現は他の貧しい北朝鮮の都市と比較し、平壌の姿がショーウインドー式の演劇舞台に近いという点を強調するための二重の意味がある」と説明した。しかし、実際の展示会を観覧すると、資料の出所が明らかにされていない。
昨年市立大の博物館長を務めていたS教授は今年2月にマスコミのインタビューに対し、「18年の(南北)首脳会談など南北和解に向けた劇的な瞬間があった。北朝鮮の心臓に等しい平壌を知ってもらう展示を行うことも意味がある」と述べている。本紙がS教授の立場を照会したところ、市立大関係者は「S教授は館長の任期が終了し、現在は『安息年』で連絡が取れない状態だ」と回答した。ソウル市は「市の予算を支援せず、展示の企画や構成には関与していない」との立場だ。
市立大4年生のPさんは「北朝鮮の立場で強調したい断面ばかりを見せる展示会だ」と話した。在英北朝鮮大使館の元公使、太永浩(テ・ヨンホ)国会議員(国民の力)は「金日成(キム・イルソン)回顧録、(ソウルで開かれた)P4G首脳会議の開幕式に平壌・綾羅島の映像が使われた論争に続き、ソウル市内で平壌のイメージを美化する行事が開かれており、とんでもない」と話した。