1日午後2時半ごろ、慶尚北道鬱陵郡の沙洞港を出発し、浦項旅客船ターミナルに向かっていた定期旅客船「ウリヌリ号」(534トン)周辺に砲弾4発が落下する事故が起きた。砲弾は現代重工業が試運転中の海軍護衛艦から発射されたものだった。
現場は鬱陵島から約24キロメートルの沖合。旅客船運航業者によると、旅客船には乗客166人と乗員の計172人が乗っていた。砲弾は旅客船の前方と右舷側の海上に4発が落下した。目撃者によると、砲弾の落下地点と旅客船の距離は100メートルほどだったという。旅客船を直撃した砲弾はなかったが、深刻な事故につながりかねない危険な状況だった。後方には同じ航路を運航中のサンライズ号(590トン)も航行していた。
砲弾を発射した海軍護衛艦は、現代重工業が建造中で、海軍に正式に引き渡される前に対空射撃評価を行うため、砲弾を発射したことが分かった。旅客船運航業者は「通常射撃訓練がある日には、海軍と海洋警察から事前に通告があり、艦艇からも射撃訓練を実施するので退避してほしいと放送がある。今回、問題の艦艇からは特に射撃に関する案内はなかった」と主張した。これに対し、現代重工業は「旅客船の接近が確認されたため、航路変更を要求したが、旅客船が航路を変更しなかった」とした上で、護衛艦側が方向転換し、安全距離を確保した上で、試験射撃を行ったもので、試験弾は旅客船から1キロメートル以上離れた海上に落下したと説明した。