CRSは、トランプ前政権時代、在韓米軍の駐留費用の増額をめぐる圧力などでぎくしゃくしていた韓米関係が、バイデン政権に入って改善する兆しを見せていることも肯定的に評価した。特に、今月21日の韓米首脳会談後に両首脳が発表した共同声明に、中国に関する記述が盛り込まれたことに注目した。
両首脳は声明で「規則に基づいた国際秩序を阻害あるいは不安定にしたり脅かしたりする全ての活動に反対」することで合意したほか、「南シナ海とこれを超えた場所での航行の自由」と「台湾海峡の平和と安定維持の重要性」にも言及した。韓米首脳の共同声明に、中国が言及されること自体を嫌がる台湾のことが明記されたのは、史上初めてだ。
CRSは、韓米両国がミサイル指針協定の撤廃を決めたことについても、特別な意味があると指摘した。韓国は1979年に締結されたこの協定を終了させることで、弾頭重量の制限を受けることなく射程1000キロ以上の中距離弾道ミサイル(IRBM)の独自開発・配備はもちろん、宇宙ロケット技術も自由に開発できるようになった。CRSは「両国は韓国の力量の増大と自由性の拡大に対する熱望を認めるために、同盟を調整してきた」として「今回のミサイル指針協定(の撤廃)は、同盟の調整のもう一つの事例」だと指摘した。
一方、中国外務省は24日の定例記者会見で、韓米首脳会談後の共同声明の内容について「内政干渉」だと批判した。ただし「台湾問題で火遊びするな」としながらも、その主体を韓国ではなく「関連各国」と表現したことから、批判レベルを調節したと評されている。中国外務省は、韓米首脳がクアッドの重要性に共感したことについては「中国は他国に対する4か国メカニズムやインド太平洋戦略などの排他的な『小さなサークル』に反対する」と述べた。
中国が韓米首脳会談の結果をめぐって警戒心をあらわにした場面はほかにもある。韓国の複数企業による対米半導体投資計画および両国間の半導体パートナーシップ構築だ。中国外務省の趙立堅報道官はこれに関連し「韓国企業は中国でも多くの投資を行っている」と強調した。