こうした人間の本能的な面から見て、BTSが先日の米音楽賞「ビルボード・ミュージック・アワード(BBMA)」で4冠に輝いたのは意義深い。BTSの人気に関してはこれまで、その実体をめぐりさまざまな説が飛び交っていた。この分野について取材をするたび、「本当に実体がある人気なのか」と何度も質問された。今回の受賞は、その実体を示すものだ。実感がないからだろう。歌手が大勢いる米国で、韓国人歌手にこれほどまでに熱狂するなんて。
世界の大衆文化市場は米国と英国が主導しているが、ほかの国にもチャンスが来た時があった。1970-80年代には香港映画ブームがあったし、それ以降は日本文化ブームがあった。今は韓国だ。映画や音楽など、あらゆる分野で韓国文化が主流となっている。BTSに魅了された人々は別の韓国の男性アイドルグループSEVEVTEENも好きだ。彼らは常に新しいK-POPを追求しようとしている。
今後、政府はどのようにすべきだろうか? 何もしなくていい。下手に前に出たり、便乗しようとしたりすれば、かえってK-POPをだめにする。K-POPの人気に便乗して、急ごしらえした歌さえ出さなければいい。BTSのメンバー、SUGA(シュガ)は先日の記者懇談会で、「大衆が望む音楽をやるため努力し、素晴らしいステージをお見せするため練習するだけ」と語った。
このほど、10年ぶりとなる8thアルバムをリリースした歌手ソン・シギョンは言った。 「K-POPは、自然に生まれたから愛されているんです。芸能事務所や企画会社が一生懸命やって成功したのに、まるで韓国が企画したかのように自慢するのを見ると、少し違和感があります。『こういう役割を果たしている音楽はありがたい』という考え方が良さそうです」
イ・ヘウン記者